フロアコーティング 東京のギャラリー
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今回の二年限定の住宅減税でも「特需」が発生すれば、これまで以上に大量の欠陥物件が出回る可能性が強い。
住宅・マンション業界は、二次、三次下請けが現場施二するのが当たり前の世界だ。
顧客から受け取る工事代金を一〇〇とすると、一次下請けは七〇、二次下請けは五〇~六〇、そして次下請けは三〇~五〇でしか受注できない。
採算ギリギリの見積もり提示は当然で、昨今の不況下では赤字受注も珍しくない。
いまや「断れば二度と仕事をやらない」という無言の圧力のもと、元請け業者による交際費のツケ回しなど、陰湿な下請けイジメも常態化している。
こうした住宅・マンション業界の重層的な下請け構造が、素人職人を使って人件費を浮かすなど、あの手この手の手抜き工事の温床になっている。
貧すれば鈍するで、下請けのモラルはどんどん低下している。
下請けにすれば、背に腹は代えられないということなのだろうが、そのために欠陥物件を買わされる消費者はたまったものではない。
しかも日本には、そうした欠陥物件をつかまされたとき消費者の味方になってくれる法律すらない。
欠陥物件を一掃する切り札として早期導入が期待されていた「住宅晶質確保促進法(欠陥住宅新法)」にしても、その中核部分を担う「住宅版製造物責任(P上)制度」が、住宅・マンション業界の猛反発を受けて骨抜きにされてしまったー「家の基本構造に問題ありと推定される場合は、業者が無料修理などの責任を負う」という部分が削除されてしまったため、今後法案が成立しても、業界寄りのザル法になるのは確実だ。
最近の不動産業界は、やれ高品質だ、ゆとり設計だ、永住タイプの一生モノだと、いうことだけは立派だが、もしそれがほんとうなら、堂々と法案成立に協力すればいいものを、「そんな法律をつくられたらたまらない」と強硬に反対し、建設省にネジ込んだ。
これでは「後でどんな手抜き工事が露見するかわからないようないい加減なシロモノをつくっているのではないか」そう疑われてもしかたがないだろう。
期間限定セールの「減税特需物件」にはやはり手を出さない方が賢明なのである。
マイホームの購入を考えている人に「なぜ?買うのか」と尋ねると、必ずといっていいほど次のような答えが返ってくる。
「毎月払っている家賃がもったいないじゃないですか。
ドブに捨てるようなもんですよね、何も残らないんだから。
でも、マイホームなら、払ったお金が形になって残る。
どうせ家のために毎月お金を払うなら、いずれ自分のものになるマイホームを買って、住宅ローンを払った方がいいに決まってますよ。
だいたい賃貸だと、おじいちゃん、おばあちゃんになると、入居を断られるケースがあるっていうし、たとえ入居できても、ヨボヨボになって働けなくなってから家賃を払い続けるのは容易なことじゃない。
その点、マイホームならローンの支払いが終われば、タダで住める。
買えるものなら買っておいた方が絶対にトクです」「賃貸より持ち家の方がトク」の典型的なステレオタイプの解釈で、バブルが崩壊する前までは、これに「いずれ値上がりして資産になるから」という理由が加わった。
マンションを何軒か転がして最後に庭付き一戸建てでめでたし、めでたしのアガリというわけだ。
よく「家は一生に一度の大きな買い物」というが、そんなのはウソもいいところで、バブルの頃までは二度も三度も買い換えるのが当たり前だった。
さすがにいまは「資産性より使用価値」で、一度買ったら「そこにずっと住み続ける」という人が増えた。
不動産の下落で、「何かあったら売ればいい、貸せばいい」という甘い考えはもはや通用しない。
その意味では最初から永住志向の人が増えているのはいいことだと思う。
ただし決定的な問題が一つある。
それは、戸建てにしろマンションにしろ、「ローンを払い終えれば、タダの家が手に入って、後は.生、住まいの心配をしないですむ」と思っている人が驚くほど多い点だ。
不動産は一度購入してしまえば、永久にタダで使えるものではない。
固定資産税は取られるし、何より、古くなればなるほどメンテナンスのコストがかかる。
たとえばマンションであれば、ローンは二五年とか三五年の返済が終わると、それで解放されるが、その後も管理費や修繕積立金は払い続けなければならない。
これは共有部分に対するコストであって、自分の持ち分については別途、リフォームのためのコストがかかる。
戸建ての場合は全部自分のものだから、どんなにポロになろうが、それで我慢できるなら、なるべくお金をかけずにすますことも可能だが、マンションの場合はそうはいかない。
共有部分のメンテナンスについては管理離合で決めたことに従わざるを得ない。
「それでも維持管理のためのコストは、家賃に比べれば、ずっと安上がりだろう」と思うかもしれないが、それはあくまで「修繕でやりくりできれば」の話で、「もう修繕ではおいつかない。
建て換えした方がいい」となれば、状況は全く違ってくる。
住宅には寿命がある。
建設省の「建設自書」二九九六年版)によれば、住宅の寿命(その年に壊した建物の築年数の平均)は、英国七五年、米国四四年に対して日本はわずか二六年にすぎない。
木造住宅が多いのと、早めに建て換えるケースが多いので、その点は考慮しなければいけないが、それでも戸建てにしろマンションにしろ、せいぜい持っても四〇~五〇年だろう。
マンションの場合、躯体そのものは六〇年、七〇年大丈夫でも、設備の老朽化や陳腐化がそれより早く進行し、居住に堪えられなくなる可能性が強い。
実際、住郡公団(住宅都市整備公団)では築三〇年を目途に建て換える方針を取ってきた。
となれば、一生住むつもりで買っても、購入時の年齢や物件の築年数によっては、持ち主より先に住宅の寿命が尽きてしまう恐れがある。
四〇年しか持たないとすれば、新築で買っても、二一〇歳だと七〇歳、四〇歳だと八〇歳でアウトだ。
五〇歳で買えば九〇歳だから、先に持ち主が天寿を全うする可能性が高いが、一一〇代で購入したのではほぼ確実に住まいの寿命が先に尽きる。
人生八〇年時代、まだまだご主人や奥さんも元気なのに住まいの方がすっかりくたびれてしまって、もはや住むに堪えないとなれば、大規模な手直しをするか、それでもダメなら建て換えするしかない。
この場合の費用は最低でも一〇〇〇万円以上、ヘタをすれば数千万円以上かかるだろう。
また、マンションの場合は、余剰容積率を利用してタダで再入居する方法はあるが、たとえ法的に可能であっても、今後の家余りの住宅市場を考えれば、増床分の住戸が完売できる保証がない。
捕らぬ雅の皮算用に終わる可能性が強く、実際、震災後の神戸のマンション再建ではまさにそれが起きた。
賃貸というとどうしても老後の不安(入居拒否や賃料支払い)がつきまとうが、持ち家にしてもその寿命を考えれば、老朽化にともなう大規模修繕や建て換えコストの問題が避けて通れない。
「持ち家なら老後の住まいが保証される」というのは、あくまでその住宅が自分の寿命より長持ちするのが前提であって、それが崩れれば、賃貸とたいして条件は変わらなくなる。
家賃を払うのはレンタカーと同じで、不動産の使用料だ。
そう思えば、何も毎月家賃を捨てていることにはなるまい。
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